人気ブログランキング |

ちょっとエロイ 「夜這い(よばい)」を民俗学的に検証

現在では常識外れというかアブノーマルなことで、淫乱な行為だと
思われがちですが・・・
夜這い=通い婚は貴族の風習であり、原点は貴族社会にあり、
一般大衆は普通に「嫁取り」現在の結婚と同様だったようです。

古代日本は通い婚(夫が夜だけ妻の元に通う)や夜這い(婚姻関係にない男が
夜女の元に通う)が普通に行われていました。
夜這いなどはつい最近まで地方を中心に存在していたという記録もあります。

この行為は相手の合意があって初めて成立する慣習だが、
中には強姦・婦女暴行という強行犯罪にあたる行為も差す場合がある。

夜這いについては、時代や地域、各社会層により多様な状況であり、
共同体・村ごとの掟に従う必要はあったが、夜這い相手の選択や、
または女性側からの拒絶など、性的には自由であり、祭りともなれば
堂の中で多人数による「ザコネ」が行われ、隠すでもなく恥じるでもなく、
奔放に性行為が行われていた。


赤松啓介氏の著書『夜這いの民俗学・夜這いの性愛論』より引用・・・

【夜這いの発生】

国文学関係の研究者は、「夜這い」を、古代に男が女の家へ通った
「よばう」民俗の残存と考えている。「よばう」は「呼ばう」
すなわち名を呼びつづけることで、求婚も意味する。
夜おこなわれることが多いところからいつしか
夜の字があてられたのだろう。

江戸時代にもっとも盛んになったのは、その前の戦国時代が
原因しているといわれている。戦乱の時代に村落共同体を
まもることは容易でなかった。ムラは自己防衛のため、
年功序列をつくって戦乱にそなえたが、それでも男たちは
殺され数が減っていく。したがって男と女の生存、その対応が
かなり崩れたのも多かったにちがいない。このアンバランスを
阻止しようとして男の夜這いが始まったのではないか。
それまでにも夜這いはあったにちがいないが、戦国動乱の影響で
殆どの村に普及するようになったのだろう。しかしイスラム教における
一夫多妻制のはじまりもジハードによる男性数の減少であることを
考えあわせると、十分に説得力をもつ説だ。


【明治にはいって一変】

江戸時代にはさかんであった夜這いが、明治時代にはいると禁止された。
政府の狙いは一夫一婦制の確立と純潔教育、要するに欧化政策だったが、
夜這いを禁止するもう一つの狙いがあった。
政府は資本主義体制を普及させるため貧農を農村から都市に吸収して
安価な労働力として利用すると同時に、セックス産業を振興して
そこから巨額の税金を徴収したのだ。そうした国家財政の目的のために、
ムラやマチの夜這い慣行その他の性民俗が弾圧されたことは間違いない。

「戦争中の弾圧的風潮」が夜這いを滅ぼした3大要素のひとつだとはいえ、
ひにくなことにもっとも激しかったのは満州事変から大東亜戦争のころ。
若者の召集が激しくなると、残された嫁や人妻は義父・義弟とまじわった。
いつ動員されるかわからないから男たちの夜這いもはげしくなり、
本庄や明石の軍需工場などが爆撃されて多くの女子奉仕隊員に犠牲者が
出ると、もう性的な禁圧がなくなり、相続く爆撃と退避とで防空壕や破壊された
家屋を利用しての半公然化した性交渉も行われていた。

兄戦死の報を受けて弟が兄嫁と結婚したところへ兄が帰ってくるという話は、
テレビドラマなどでも描かれるが、それは茶の間に合わせただけであって、
実際はもっとすさまじかったことがわかる。
明日をも知れぬ絶望的な状況まで追いつめられると、やはり人はセックスに
駆りたてられるもののようだ。


【農村の機械化で消滅】

夜這いが消滅した主因は、農業や村の構造変化にあると赤松は見ている。
日本の農業は、戦後の1950年代に完結した機械化、化学化によって
第一次産業としての様相を激変させてしまい、それ以前のように宗教や
信仰との密接な関係を失ってしまった。
以前の農業は、天候や災害に左右されることが多かったから、
そうした障害を避けたり防ぐために宗教や信仰に依存せざるをえなかったし、
農作業も殆ど手作業であったから、肉体的な疲労が激しかった。
特に、田植え前後は肉体的な作業が集中した。苛酷であっただけに
また一面では極めて娯楽的な要素が盛り込まれていた。
大田植え、花田植えのように歌舞音曲を伴奏させながら作業することも
あったが、一方で手軽に求められることとなると、男と女の肉体の相互交換、
利用ということにならざるをえない。

農村の機械化は昭和10年ごろからはじまり、村は資本主義の攻勢に押され、
村落共同体としての結合をゆるめるようになった。村の娘は村の男をきらい、
都市にでて月給取りの女房になることをめざした。村に若い女がいなくなって
夜這いは終わった。

by kfujiken2 | 2014-10-13 16:34 | コラム | Comments(0)


山口県の歴史・風景・花や世相のトピックをお届けします


by fujiken

プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る

S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

カテゴリ

風景
歴史

コラム
未分類

リンク

アクセスカウンター


クリックして貰えると幸せます

にほんブログ村 地域生活(街) 中国地方ブログ 周南情報へ
クリックして貰えると幸せます。
ブログランキング・にほんブログ村へ
クリックして貰えると幸せます。

春葉のブログ~心の声を墨にこめて~

以前の記事

2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
more...

最新の記事

日本婚姻史 part3 
at 2019-10-16 09:33
日本婚姻史 part2 
at 2019-10-12 07:22
日本婚姻史 
at 2019-10-08 18:49
あと2日・・・10月4日に退..
at 2019-10-01 13:38
ピロリ菌が原因の病気
at 2019-09-24 12:45
大人のうんち学
at 2019-09-18 16:12
参ったな(;´Д`)
at 2019-09-13 10:34
北浦の奇岩・ホルンフェルスと..
at 2019-09-10 09:26
北浦の奇岩・ホルンフェルスと..
at 2019-09-05 11:45
北浦の奇岩・ホルンフェルスと..
at 2019-08-31 17:31
北浦の奇岩・ホルンフェルスと..
at 2019-08-27 09:06
下松スポーツ公園のヒマワリ
at 2019-08-19 07:40
ぱしふぃっく びいなす (P..
at 2019-08-11 08:52
第27回 「サンドアートin光」
at 2019-08-05 07:36
残暑見舞い
at 2019-08-04 08:05
「世襲王国ニッポン」・・・ ..
at 2019-07-28 15:31
「竹久夢二展~憧れの欧米への..
at 2019-07-23 15:13
玖珂の鞍懸城主・杉隆泰の系譜..
at 2019-07-19 09:14
玖珂の鞍懸城主・杉隆泰の系譜..
at 2019-07-12 09:01
映画 「ある町の高い煙突」を..
at 2019-07-05 10:12

ブログジャンル

歴史
中国

フォロー中のブログ

四季の風景
6ワン’s mom
つれづれなるままに
四季折々
より美しく!より健康に!
季節の花々に癒されて
時の流れのままに
風に吹かれて🎵
月の沙漠を
hiroshijiji1...
おいしいマイニチ
一期一会 ~あけぼのフェ...
♪Princess Cr...
農園のドタバタ奮闘記
俺の心旅
言の葉の優しさに・・・

画像一覧

最新のコメント

態々ご連絡ありがとうござ..
by kfujiken2 at 10:03
もちろん、私も適正な補修..
by なすび at 13:04
なすびさん おはようござ..
by kfujiken2 at 07:34
案内所になっている建物、..
by なすび at 17:22
>単なる鄙びた村というか..
by kfujiken2 at 10:08
私も佐々並には行きました..
by なすび at 18:08
>会津生まれ まるで韓..
by 再び明治維新が必要 at 19:04
アリエスさん おはようご..
by kfujiken2 at 08:18
>また、毎年9月日本史を..
by 白虎 at 23:42
貴方が言われていることも..
by 会津生まれ at 20:27
おいでませ、長州より発信..
by kfujiken2 at 15:57
早速 探しました。 すぐ..
by りこ at 11:05
私はブログをやっていませ..
by なすび at 21:01
なすびさんのサイトを紹介..
by kfujiken2 at 09:05
戦争ができないとヤバいで..
by なすび at 11:48
ご指摘痛み入ります。 ..
by kfujiken2 at 10:28
会津の人間です。 記事..
by あかべこ at 05:24
貴殿は気づかれていないよ..
by なすび at 13:09
既に辞めている前川さんが..
by kfujiken2 at 10:59
引責ではありません、立派..
by なすび at 09:00