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長州より発信


山口県の歴史・風景・花や世相のトピックをお届けします
by fujiken
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毎朝、各教室で子供たち全員が「松陰先生のことば」を朗唱していた【士規七則】

【士規七則】とは、武士の心得7カ条といったところですが、武士のあり方、
人としての生き方について松陰の思想です。
この士規七則を要約すれば三点である。すなわち、志を立てて万事の原点とし、
友を選んで仁義の行を助け、読書によって聖人の訓を学ぶ。

吉田松陰が野山獄における思索の間に執筆したものを、叔父玉木文乃進の
添削を経て成ったものであり、玉木文乃進の嫡男英彦介の十五歳の元服式に
贈った武士の心得七か条を書いたものに、その大成を祈念して贈られた。


毎朝、各教室で子供たち全員が「松陰先生のことば」を朗唱していた【士規七則】  _d0061579_1527279.jpg


原文

披繙冊子 嘉言如林 躍躍迫人
顧人不讀 即讀不行 苟讀而行之 則雖千萬世不可得盡
噫復何言
雖然有所知矣 不能不言 人之至情也
古人言諸古 今我言諸今 亦詎傷焉
作士規七則

一 凡生為人 宜知人所以異於禽獣 蓋人有五倫 而君臣父子為最大 故人之
所以為人忠孝為本

一 凡生皇國 宜知吾所以尊於宇内 蓋皇朝萬葉一統 邦國士大夫世襲禄位
人君養民 以續祖業 臣民忠君 以継父志 君臣一體 忠孝一致 唯吾國為然

一 士道莫大於義 義因勇行 勇因義長

一 士賢以質實不欺為要 以巧詐文過為耻 光明正大 皆由是出

一 人不通古今 不師聖賢 則鄙夫耳 讀書尚友 君子之事

一 成徳達材 師恩友益居多焉 故君子慎交遊

一 死而後已四字 言簡而義廣 堅忍果決 確乎不可抜者 舎是無術也

右士規七則 約為三端
曰立志以為萬事之源 選交以輔仁義之行 讀書以稽聖賢之訓
士苟有得於此 亦可以為成人矣


書き下し文

冊子を披繙(ひはん)すれば、嘉言(かげん)林の如く、躍躍(やくやく)として人に迫る。
顧(おも)ふに人読まず、即(も)し読むとも行はず、苟(いやし)くも読みて之を行はば、
則ち千万世(ばんせ)と雖も得て尽す可からず。
噫(ああ)、復た何をか言はん。
然りと雖も知る所有りて、言はざること能はざるは、人の至情なり。
古人は諸(これ)を古(いにしへ)に言ひ、今我は諸れを今に言ふ、亦た?(なん)ぞ傷(いた)まん。
士規七則を作す。
● 凡そ生まれて人たらば、宜しく人の禽獣に異なる所以を知るべし。
蓋し人に五倫有り、而して君臣父子を最も大なりと為す。故に人の人たる所以は忠孝を
本と為す。
● 凡そ皇国に生まれては、宜しく吾が宇内(うだい)に尊き所以を知るべし。
蓋し皇朝(こうちょう)は万葉(まんよう)一統にして、邦国(ほうこく)の士大夫、世々に
禄位を襲(つ)ぐ。
人君は民を養ひて、以て祖業を続(つ)ぎ、臣民は君に忠して父志(ふし)を継ぐ。
君臣一体、忠孝一致たるは、唯だ吾が国のみ然りと為す。
● 士道は義より大なるは莫し。義は勇に因りて行はれ、勇は義に因りて長ず。
● 士道は質実欺かざるを以て要と為し、巧詐(こうさ)文過(ぶんか)を以て恥と為す。
光明正大、皆な是に由りて出づ。
● 人、古今に通ぜず、聖賢を師とせずんば則ち鄙夫(ひふ)のみ。読書尚友(しょうゆう)は
君子の事なり。
● 盛徳達材、師恩友益多きに居り。故に君子は交遊を慎む。
● 死して後已やむの四字は言げん簡にして義広し。堅忍果決、確乎として抜く
可からざる者は、是を舎(お)いて術(すべ)無きなり。

右、士規七則は、約して三端と為す。
曰く、立志を以て万事の源と為し、選友(せんこう)を以て仁義の行を輔(たす)け、
読書を以て聖人の訓を稽(かんが)ふ。
士、苟くも此に得る有らば、亦た以て成人たる可し。


毎朝、各教室で子供たち全員が「松陰先生のことば」を朗唱していた【士規七則】  _d0061579_15332817.jpg


現代語訳・抄訳

書物を開いて読めば、素晴らしい言葉の数々は、躍動して人に迫ってくる。
しかし、今の人々は書を読まず読んだとしてもそれを実行をしない。 もし本当に
書物を読んで実行するならば、千年万年と時間をかけようと行いつくすことは
できないはずである。 ああ、私はこれ以上、何を言うべきことがあろうか。
何も言う必要はない。 そうは言っても、良き教えを知って、これを人に言わないで
おくことができないのは、人の情というものである。 だから古人はこれを
古(いにしへ)に述べ、私は今これを述べる。また、どうして悩むことがあろうか。
そこでここに、士規七則を作る。

一、およそこの世に生を受けて人となったからには、人が禽獣(きんじゅう)と
異なるゆえんを知らなければならない。思うに人には五倫(儒教でいう人として
守るべき五つの道「君臣の義」「父子の親」「夫婦の別」「長幼の序」「朋友の信」)がある。
そのうち君臣の義、父子の親が最も大切である。だから人の人であるいわれは
忠と孝を基本とする。

一、およそ皇国(日本)に生まれたからには、我が国が世界各国より尊ばれる理由を
知っていなければならない。思うに、皇室は万世一系であり、武士は代々禄を受け
地位を継いでいる。君主は人民を養い、先祖の開かれた道を継がれ、臣民は君主に
忠義を尽くし、もって父親の志を継いでいる。君と臣の一体、忠と孝の一致、
これは我が国だけがそうなのである。

一、士の道は、義より大切なものはない。義は勇気を持つことによって実行され、
勇気は義に基づくことによってよって更に沸くものである。

一、士たる者の行動は真面目で、自分の心をあざむかないことが肝要である。
いつわりに巧みであったり、あやまちをごまかすことを恥とする。公正で私心がなく
正しく堂々とした態度は、みなここから生ずるものなのである。

一、人たる者で、現在および昔のことを学ばず、また心ある立派な聖人や賢者を
師とせず、自己の修業をおこたるようでは、心のいやしい狭量な男となってしまう
だけである。読書や賢人を友とするのは立派な人のなすべきことである。

一、徳を厚くし才能を磨くには、師の恩や友人からの益によるところが大きい。
それゆえに立派な人はつまらない人との交際を慎重にする。

一、死してのちやむの四字(死而後己:死ぬまでやり続ける)は、言葉は簡単で
あるがその意味は広いものがある。意志が固く我慢強く、果断に実行し、
断固として心を変えないのは、この死してのちやむの精神をほかにしては道がないのである。

右の士規七則は、これを要約すれば三つになる。すなわち、「志を立てて万事の源とする。
交友を選んで正しい生き方の助けとする。書物を読んで聖賢の教えを考え究める」
ことである。武士として、まことにこの三つのことを修め得ることができれば、
人格・教養の備わった立派な人ということができよう。

by kfujiken2 | 2015-02-21 15:41 | 歴史 | Comments(0)
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